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原村にもようやく春が

5 月 8th, 2017

12月に買ったシクラメンであるが、そろそろ終わりである。

隣のおばさんが持って行って来年もまた咲かせてみせるという。

原村はシクラメンの栽培が盛んな所で、しかもその花が長もちする。

明治時代にヨーロッパから入ってきたシクラメンは、最初その根の形状から「馬糞草」とか「豚の饅頭」などとあまり美しくない名前をつけられていた。

それを知ってか知らずか華族の九条武子氏が「これはかがり火のような花ですね」と言ったのを聞いた、植物学者の牧野富太郎氏が「カガリビバナ」と命名したそうである。

だいたい植物学者にはセンスのない人が多く、「ヘクソカズラ」とか「ママコノシリヌグイ」とか「ハキダメソウ」など、悪意があるとしか思えないような命名をしている。

極めつけは春先の陽だまりに真っ先に咲く、あの青く可愛らしい小花を「イヌフグリ」というものである。

口にするも憚られるような命名である。

しかしである。世の中にはそれを憂いてかどうかは分らないけれど、千葉県のある地方ではこの花のことを「ホシノヒトミ」と言うそうである。

私のように人生の終わりに近づくと、本当に価値あるものとは「自然」だけであるように思う。

もう私は高い山には登れないけれど、山の本を読みながら登山の追体験をしたり、メーテルリンクが書いた『植物の知性』とか牧野富太郎の『植物知識』といった本を読んでいると、その深い世界に引き込まれる。

ただ眺めて眼を悦ばせるだけの自然もいいけれど、そこに奥深く分け入ることができる言葉によって、自然の真髄に触れることができる喜びはまた格別のものがある。

つまり脳が喜ぶのだ。

ボクこの川眺めるだけじゃなくて、入りたいなあ。

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