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犬と暮らす

3 月 30th, 2018

ここに住んでもう40年近くになる。

その間に私は犬を5頭飼ったがそのうち4頭は保護犬であり、今はギャビ1頭を残すのみである。

私は5歳のとき拾ってきた仔犬を母に捨てられたことがある。

正確には、母が私と11歳違いの長兄に命じて捨てさせてきたのである。

そのことを知ったのは、私がここに住んで40歳を過ぎてからのことであった。

しかも私が「あの時の仔犬はどうなったんだろう、誰かに拾われたらいいんだけど」と過去を懐かしむように、そして同意を求めるように母に問いかけたら「ああ、あの犬は博美(長兄の名前)に捨てに行かせたのよ」とこともなげに言った。

5歳の私には、母も兄二人もあの仔犬はいつの間にかいなくなったと言っていた。

兄はどんなおもいで仔犬を捨てに行ったのだろうと、彼の気持ちになると涙があふれた。

次兄にこのことを話すと、自他ともに認めるマザコンの彼もカンカンに怒っていた。

妹には一生このことは黙っていようと、誓い合ったそうである。

母もその罪を墓場まで持っていくべきだったのだ。

哲学者の中島義道は「母親とは、これが人間か?と疑いたくなるほどのすさまじく劣等な生物である」と言っている。

確かに親という人種の愚かさは自分も含めてどうしようもないものだと思う。しかしも大抵の親にその自覚はない。

他の事はともかく、この仔犬のことだけは私は母が死んだ今もゆるしていない。

中島義道の言う通り、私の母は劣等な生物だった!

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