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遅い春

5 月 14th, 2019

自然文化園の池に、水芭蕉が盛りと咲いていた。

カメラを持った年寄りたちが撮影に余念がない。

退職後の趣味として手頃なのだろう。

死ぬまでの暇つぶしは何をやってもいいもんね。

もちろん仕事だって死ぬまでの暇つぶし。

春が遅かった分、まだ山桜の花が咲いている。

手前の木はもう葉桜になっているけど、坂の上に行くに従って花は美しく咲いている。

ここはほんのちょっとでも標高が高くなると、その変化は植物にてきめんに現れる。

隣のおばさんと一緒にノンビリノンビリ歩いて行く2体。

その後ろ姿を見ていて私はしみじみと思った。

私も隣のおばさんも前向きに生を進む人間ではない。

ただその日を刹那的に慎ましく生きるだけ。

人生の壁にぶち当たっても、それを乗り越えて行くのではなく、壁に沿って歩いて来たような人間である。

だから文字通り周縁部で暮らしてきた。

この寂し気な風景は私たちにピッタリだなあ、と思うけど隣のおばさんにこんなことを言ったら怒られるかなあ。

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