2月18日
2 月 18th, 2021
隣のおばさんは園芸が趣味だ。
ガーデニングのできない冬は、室内でランのシンビジウムを大切に育てている。
先日、豪華に咲いたシンビジウムを、気前よく一茎切り取って持ってきてくれた。
そこで冬越しのため、鉢植えにして玄関に取り込んでおいた月桂樹の葉と一緒に活けた。
たったひと茎にこれだけたくさんの花が咲いていると、不自然だけど華やかだ。
そして不思議だ。
どうやったらこんなに人工的な咲かせ方ができるのだろうと、ちょっとネットで調べてみたがすぐ投げ出した。
どうやら私には一番向いていない栽培方法であるらしい。
どこに飾ろうかと迷ったがトイレが一番よかろう、ということになった。
パッと華やいだ空間になった。
トイレから出て郵便物を取りに外に出た。
打って変わって寒々とした風景。
あまりの違いに感動し写真に収めた。
こんな無機的な景色が初夏になると、一斉に緑に変わり、色とりどりの花が咲く光景に変化する様はまるで魔法のようだ。
植物の智恵と自然の不思議を思わないわけにはいかない。
雪を踏みしめ空を眺めながら、スピノザの「神即自然」を思った。
スピノザにとっての神とは「因果関係の連鎖の網の目が無限に広がる必然の世界」のことで、それが「神即自然」であり、全宇宙そのものをいうのだそうだ。
つまり神がすべての出来事の必然的な原因になっているということだ。
自然の不思議に遭遇していると、こんなバチ当たりな私でも敬虔な気持ちになってくる。
そんなことを漠然と考えていたら滑った!かろうじて転ぶのだけは免れた。
神様ありがとう!
気温はマイナス4度。
きょうも寒い。
すっかり冷えた。
美しいトイレに駆け込もう。