当地はまだまだ朝夕は寒いけど、日中は春の陽射しが充ちるようになった。輝くような新緑の世界だ。地に咲く花も、木に咲く花も今盛りである。あと何回見られるかわからないので、これを見逃さないようにと私の散歩にも力が入る。生に未練があるようで我ながら浅ましいと思わないでもないが、とにかくこの美しい世界を心に留めておきたいと思うのである。 与謝野晶子が晩年に詠んだ「いづくへか 帰る日近きここちして この世のものの なつかしきころ」という歌がある。私にとってなつかしいこの世のものといったら、この美しい自然の風物だけである。生と死が交差するようなこの歌を、散歩しながら声に出してみる。不思議に心が落ち着くのである。
上記の山吹の花を夜アップで撮ってみた。素朴であまり注目されない山吹が妖艶に迫ってきた。
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