毎日楽しく暮らしている。楽し過ぎて1日があっという間に終わってしまう。学校に行っている間は苦痛だった勉強が今は楽しくて仕方がない。
そして日々の食事作りは丁寧である。あとどれくらいの期間食べられるかと思うと料理には力がこもる。冷凍食品も市販のお惣菜も使わない。といっても具沢山味噌汁とご飯、肉か魚を焼いて野菜を茹でたり炒めたり、という簡単なものであるが。大抵私が家族全員の分を作る。仕事がないと人間は食べるために生きているということがよくわかる。
人生とは死ぬまでの猶予期間だと言ったのはショーペンハウアーだ。パスカルは仕事でさえ死ぬまでの暇つぶしと言っている。
あと何年暇つぶしができるかなあ。ある老人はやることがないので暇が苦痛だと言っていた。不幸だなあと思うし、せっかくの暇をもったいないと思う。死を視野に入れたら暇で苦痛だなんて言っていられないのに。
かつて小学校6年生だった息子に「僕は何のために生まれてきたの?」と訊かれたことがある。「死ぬためよ」と答えたら「産まなきゃ良かったのに」と言われた。
「そうだねえ。ゴメン!」と言いかけて引っ込めた。ミもフタもないからねえ。
「生まれてきてくれて嬉しかったよ。そしてあなたは大人になって人生を楽しむためよ」とか何とか言って誤魔化した。
息子にそのことを記憶しているかどうか聞いてみたくなった。
原村はまだまだ美しい季節が続いている。また来年もこの風景を見たいという希望が湧いてくる。まだまだ死ねない。
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