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尾白川散策

4 月 5th, 2021

昨夜の雨が今朝は止んでいた。

ギャビと散歩に出たら深い霧だった。

世界はボンヤリと霞んでいて、私は浮遊しているような感覚に襲われた。

思えば、私の若い時は霧はなくとも、いつも浮遊しているような状態だった。

地に足が着いているという感覚がなく、名実ともに世界を漂っていた。

一番苦しんだのは“私は何ものなのか”ということだった。

あれから50年あまり、足腰が弱って片足立ちで1分どころか40秒も保たないのに、気持ちだけはどっしりと地に足が着いて、根が張っているような気分である。

このまま真っ直ぐ生い立ち、ひと花咲かせようか、という勢いである。

まあ、これを無根拠の自信というか、それとも年の功というか、鈍感力といおうか、いずれにしても歳を取るのはいいものだとしみじみ思う。

自分を足許から肯定できるのだから。

おかげで自分の限界を認識し、その中で諸々のことを取りまとめていく能力と、多様な遊び方が身についた。

願わくばもう少しの体力を。

というわけで、今日は久しぶりに一家全員で尾白川渓谷を歩こうということにした。

家から30分くらいクルマを走らせると、この登山道に出る。

おやつのケーキとコーヒーだけを楽しみに、隣のおばさんもガンバッテ歩く。

寂しげな山桜が咲いていて、浅い春といった趣である。

この吊り橋の下が尾白川渓谷だ。

吊り橋の先が甲斐駒ヶ岳への登山道である。

途中素晴らしい滝が三つある。

老人二人と老犬がいるので、もちろんそこまでは行かない。

かつての楽しかった思い出として記憶にとどめておこう。

花崗岩のゴロゴロした渓谷を注意深く歩いて行くと千ヶ淵に出た。

昨日の雨で水は濁っていたが冷たく流れが早い。

これが「南アルプス天然水」となって商品になるというのだから驚きだ。

みんなの財産の水さえ売るというのだから、資本家とは商魂たくましいというか強欲というか恐ろしい限りである。

ギャビは水に入りたくてたまらないけど、流れの速さに怖気付いたのかじっと見ているだけだった。

それでも前足をちょっと水につけて諦めた。

賢い犬だ。

「今日はやめておくよ」。

一日楽しく遊んで夕食は息子とヨメゴが作ってくれて、後片付けも孫を含めて彼ら任せ。

ああ極楽極楽。

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