朝起きてからずーっと座っていた。これはマズイと思ったのが午後三時ごろ。歩くことにした。ちょっと寒いくらいの服装で出るのが良い。でも手袋は必需品。はじめの10分くらいは早足で歩く。すぐ体が温まり寒さは感じなくなる。私という体はもう耐用年数を過ぎているらしい。機械でいったらメンテナンスをしなければダメということである。古い機械をそのままにしておくと、錆びついて動くなくなる。ウチの洗濯機は毎日フル稼働だったせいか17年間故障知らずであった。それと自分を重ねることにしている。
かつてギャビと歩いた散歩道。よくまあこんな道なき道を歩いたもんだと感心する。倒木を跨いでいく快感なんてもう私にはない。若い頃は人生において壁にぶつかると、それを超えていく勇気と体力があった。いつの頃からか壁にぶつかると、壁に沿ってそっと歩いていくようになった。倒木に対しても然りだなあと心底思う。
池のほとりのベンチに座り水面を眺めていると鴨がスーィっと泳いでいった。泳いで行った波の軌跡を眼で追う。案外すぐには消えないものだとちょっと感動する。人の生もこんなものではないか。
1時間半ほど歩いて戻ると、トラ坊がへそ天で寝ていた。犬や猫が無防備な姿で寝ていると心の底から嬉しくなる。抱き上げてしまいたい衝動を必死でこらえた。
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